特養の言語聴覚士って実際どうなの?機能訓練指導員として働く言語聴覚士(ST)の1日

言語聴覚士

医療現場から介護現場へ転職を考えている・転職した言語聴覚士のみなさん、こんにちは!けいこです!

今回は、特別養護老人ホーム言語聴覚士(ST)機能訓練指導員として勤務する1日をご紹介させていただきます。

けいこ
けいこ

・地域中枢の急性期病院で言語聴覚士として激務を送る

・出産・育児を機に「特別養護老人ホーム」へ転職

・待ち受けていたのは1人職場の機能訓練指導員だった…

同じような境遇のみなさんに、少しでも参考になれば幸いです!

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朝ごはんの食事介助&口腔ケア(約1時間15分)

私が勤務している介護スタッフが足りておらず、歴代の機能訓練指導員さんも食事介助要員として駆り出されていたみたいです…。最初は「どうなん?」と不信に思いましたが、言語聴覚士の知識や経験を生かして利用者様の食事場面を見ることができるので、必要に応じて嚥下評価も行っています。

食事介助が終われば、口腔ケアです。

口腔ケアは自力で出来る利用者様もいれば、介助が必要な利用者様もいます。介助が必要な利用者様には、口腔ケア用スポンジハイガーゼを使用して、口腔ケアを行います。

食事介助や口腔ケアは、言語聴覚士の居ない・少ない施設や在宅介護の現場では、介助者が「自己流」でやっているケースが多いと聞きます。事故やケガのもととなりますので、必ず専門的な知識を以てケアに当たっていただきたいと切に願います。。こちらの参考書がわかりやすく、実践的ですのでオススメです!

夜勤の介護士・日勤の介護士・看護師等スタッフ等とミーティング(約15分)

私の職場では毎朝のミーティングがあり、介護士さんが昨晩からあった利用者様の出来事を報告してくださいます。その後、各専門職がそれぞれの注意事項や予定などを発言します。

機能訓練指導員(ST)としての発言は、例えば・・・

・嚥下状態が不安定な利用者様がいた場合、食事介助の○○に気を付けてほしい! 

ポジショニングやシーティングを行った利用者様の名前を挙げ、事前に写真などを用いてA4用紙にまとめたものを渡し、徹底をお願いする

などです。

まぁ、情報共有したい事を言っています。ミーティングの内容はバインダーを使用し、A4用紙にメモを取っています。個人情報も多いので、折りたためるタイプがオススメです!

私の時間(約2時間)

朝ごはんとミーティングが終われば、個別機能訓練計画書の作成や、利用者様に対して個別機能訓練を行います。

個別機能訓練計画書を作成する為に、利用者様とコミュニケーションを取りに行ったり外部のPT・OTさん等と連絡を取り合いサービス者担当会議までに助言を頂いたりと、なかなか忙しい時間です。

個別機能訓練は、利用者1人1人に作成している計画をもとに行っています。プログラムの内容は、日常生活の中で行えることを取り入れているので、主に介護士さんに協力いただきながら行っています。

私は、嚥下障害がある人に対してのアプローチや、拘縮がある利用者様に対してリラクゼーションを行っています。四肢のアプローチ方法も外部のPT・OTさんに教えてもらう事が多々あります。場合によっては、PT・OTさんに指導いただきながら、STの私が歩行訓練を実施する時もありますよ

PT・OTさんとの会話には、解剖学拘縮の知識が必須です!大体の「筋肉の名前」と「どんな動きをするか」は、理解していた方が圧倒的にアプローチしやすいですし、PT・OTさんなど専門家とのコミュニケーションが円滑になります。何より、利用者様に対して適切な処置を行うことができますし、限られた時間で正確な情報伝達ができることは、とても重要です!解剖学の単語帳といえば、こちらのシリーズは持っておいて損はありません!

大体の筋肉の名前と何となくの動きは理解していた方がアプローチしやすいし、外部の方が言っている言葉が理解できるようになりました!

解剖学って大事ですね…。

利用者様の昼ごはん介助(約1時間30分)& 休憩(1時間)

朝と同じく利用者様の食事介助を行います。この時に介護士さんから利用者様の食事介助について相談があれば、その場で実践をして伝達をしています。

食事介助が終われば休憩なので、のんびり過ごしています。パソコンを開いて、会議の準備(計画書作成)をしていることが多いです。

急性期病院で勤務していた時は休憩時間が不規則で十分に休憩が取れないことも多々ありましたが、今の職場は休憩時間が確保されていて、そこは嬉しいポイントです。(当たり前のことですが…)

私の時間(3時間)

基本は3時間ですが、会議がある時は約1時間ある為、その後約2時間が私の時間です。

外部のPTさんは午後から来訪されることが多く、来訪されたら利用者様の情報共有を行い、身体機能評ポジショニング・シーティング等をしていただきます。助言をしていただいた事は記録に残し、ポジショニングやシーティングはクッションを使用する等の変更があれば写真を撮影し、編集して介護士さんや看護士さんに徹底していただける様に情報共有をしています。

外部からの予定がない場合は、個別機能訓練を行っています。

大体私の1日はこのように過ごしています。

最後に・・・

特別養護老人ホームに言語聴覚士(機能訓練指導員)として勤務し始めて約1年が経ちました。

初めての介護領域で、医療領域とは全く違い戸惑いがありましたが、入職当初と変わりなく、利用者様の為に嚥下障害に対するアプローチやコミュニケーションを円滑に行うお手伝いが出来たらと考えています。介護現場の現状を目の当たりにすると、私の職場ではSTも必要ですが、 PTやOT も同様に必要とされています。今後、機能訓練指導員が特定の専門職1人が任命されるのではなく、様々な専門職で構成される”チーム”となれば良いと切に願っています。

※入所者の人数によって機能訓練指導員が複数人いる所もあるみたいです!

私の職場は有難い事に外部指導員という制度があるので、PT・OTさんに助言を頂くことはできます。しかし、助言を頂くにも時間がかかります。利用者様が安全に安心して日常生活を送るためには、機能訓練指導員として言語聴覚士だけではなく、PTやOT、介護士の知識も少なからず必要だと実感しました。

働くって、いろんな職種の人と協力していく必要があるので中々大変ですが、ボチボチやっていきましょう~。


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